The Division 2

【ディビジョン2】『BfB/バトル・フォー・ブルックリン』・ミッション『CERA診療所 Echo/エコー』内容考察

『The Division2』
DLC『Battle for Brooklyn/バトル・フォー・ブルックリン(ブルックリンの戦い)』

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Tom Clancy's The Division 2【ディビジョン2】記事まとめ・一覧

目次 WoNY(ウォーロードオブニューヨーク)▼ アップデート情報▼ スペシャリゼーション▼ 装備▼ SHDテックキャッシュ▼ ハンターマスク▼ その他▼ エクスペディションストーリー▼ 書籍▼ 動画 ...

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現在、『Year7Season1『Crossroads/クロスロード』と、新DLC『Battle for Brooklyn/バトル・フォー・ブルックリン』が配信中の本作『ディビジョン2』。

今日は、新DLC『Battle for Brooklyn/バトル・フォー・ブルックリン』のメインミッションの1つ、『CERA診療所』の『Echo/エコー』の内容考察を行おうと思う。

新DLC『Battle for Brooklyn/バトル・フォー・ブルックリン』の内容に関しては、公式であるこちら。を。

※Year7Season1『Crossroads/クロスロード』マンハントスカウト詳細(前半)については、こちら。

【ディビジョン2】TU24 Year7 Season1『Crossroads/クロスロード』マンハントスカウト詳細(前半)

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※【ディビジョン2】Year7 Season1『Crossroads/クロスロード』パッチノート詳細については、こちら。

【ディビジョン2】TU24 Year7 Season1『Crossroads/クロスロード』パッチノート詳細について

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※【ディビジョン2】Year7 Season1『Crossroads/クロスロード』『SPECIAL REPORT』配信のお知らせについては、こちら。

【ディビジョン2】Year7 Season1『Crossroads/クロスロード』『SPECIAL REPORT』配信のお知らせ

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※【ディビジョン2】Year7 Season1 PTSパッチノート詳細については、こちら。

【ディビジョン2】Year7Season1 PTSパッチノート詳細

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※【ディビジョン2】次期DLC『Battle for Brooklyn/ブルックリンの戦い』の詳細と『Year7』の計画詳細については、こちら。

【ディビジョン2】5月27日 配信決定‼次期DLC『Battle for brooklyn/バトル・フォー・ブルックリン』

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※【ディビジョン2】次期DLC『Battle for Brooklyn/ブルックリンの戦い』と『Year7』の計画については、こちら。

【ディビジョン2】次期DLC『Battle for brooklyn/ブルックリンの戦い』と『Year7』の計画について

『The Division2』 TU23『Year6 Season3『Burden Of Truth/真実の重み(バーデン・オブ・トゥルース)』』 ※Year7Season1『Crossroads/ク ...

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新DLC『The Battle for Brooklyn/バトル・フォー・ブルックリン』について

『The Division 2/ディビジョン2』にて、DLC『Battle for Brooklyn/バトル・フォー・ブルックリン』が配信開始されました。

本DLCでは、新たなストーリーキャンペーンに加え、複数の新ミッション、新スキル、ハンターに関する謎解き、エキゾチック装備など、数多くの新要素が登場します。

また、同時に、『The Division 2/ディビジョン2』の最新シーズン『Year7Season1『Crossroads/クロスロード』も開幕されています。

今シーズンでは、初代『The Division/ディビジョン』を彷彿とさせる要素を取り入れたシーズン限定モディファイアや新たなギアが登場します。

さらに、『The Division 2/ディビジョン2』Xbox Game Passでもプレイ可能となり、Ultimate加入者の方は、5月29日から期間限定で無料の『EMSアウトフィット』をアンロックできます。

また、新規プレイヤーの参加を後押しする為、レベル40を超えるプレイヤーがゲーム内の『バックアップ要請』に応答すると、今後2週間にわたり追加報酬が得られます。

これは新たに実施される『a new Project Chain Event/プロジェクトチェーンイベント』の一環であり、イベントを完遂したプレイヤーには、『an Exclusive Named Weapon/限定ネームド武器』が授与されます。

ディビジョン2:「バトル フォー ブルックリン」DLC & Year 7ショーケース

ロケーション、迫りくる脅威、新スキルなど、必要な情報をすべて入手し、それらの先に垣間見えるYear7の内容に合せて準備を整えましょう!

ー上記Youtube概要欄より引用

ディビジョン2:バトル フォー ブルックリン DLC:ディープダイブトレーラー

新DLC「バトル フォー ブルックリン」は5月27日登場予定!

ダークゾーンと敵対する派閥がマンハッタンを荒廃させたのに対し、市民が協力し合い、再び繁栄の兆しと平和を取り戻しつつあったブルックリン。しかし川を越えてやってきたクリーナーズによって、始まりの地に再び危機がもたらされる。

ー上記Youtube概要欄より引用

6年目は、エンドゲームの統合、シーズン・コンテンツ・モデルの見直し、シーズン・モディファイアによる新たなチャレンジの導入など、『ディビジョン2』にとって、変革の年でした。

そして、『ディビジョン2』の7年目においても、その旅は続きます。

『Battle for Brooklyn/ブルックリンの戦い』とは

新DLC『Battle for Brooklyn/バトル・フォー・ブルックリン』では、『Brooklyn Heights/ブルックリン・ハイツ』と『Dumbo/ダンボ』という2つの新たなエリアを舞台に物語が展開されます。

一部のロケーションについては、初代『The Division/ディビジョン』を彷彿とさせるかもしれませんが、大部分は今作ならではの新しい探索エリアとなっています。

舞台となる季節は秋。シリーズとしては初めて、
紅葉に染まる街路樹や鮮やかな秋の色彩が街並みに彩りを添えます。

ストーリーは『WoNY/ウォーロード オブ ニューヨーク』の数か月後を描いており、最近のシーズンストーリーに関する予備知識は必要ありません。

その為、シリーズ経験者はもちろんの事、今回プレイするのが初めてだという新規プレイヤーの方々にとっても、適した内容となっております。

今、『the Brooklyn settlement/ブルックリン・セトルメント(居住地)』の命運が揺らいでいます。

これまで、比較的、平穏だったこの区画は、『The Cleaners/クリーナーズ』が、壊滅的な兵器『Purple Flame/パープルフレーム(紫の炎)』を携えて進攻した事により、状況が一変する事となりました。『Purple Flame/パープルフレーム(紫の炎)』は、ただ燃やすだけの火炎ではありません。この強化型の炎は、『腐食(Corrosion/コロージョン)』と呼ばれる多層効果を引き起こし、初期の燃焼ダメージに加えて、継続的にアーマーを侵食していきます。この爆発に巻き込まれたエージェントには迅速な対応が求められます。

アーマーキットを使用すれば一部効果を除去でき、戦闘から離脱すれば時間の経過とともにダメージは徐々に回復していきます。

これまで一部のミッションでのみ確認されていたこの壊滅的な兵器『Purple Flame/パープルフレーム(紫の炎)』ですが、現在では、『The Cleaners/クリーナーズ』によって量産され、彼らの『ブルックリン』侵攻の原動力となっています。

キャンペーンを進める中で、エージェントたちはこの新たな脅威の正体を解明し、『Purple Flame/パープルフレーム(紫の炎)』の生産を阻止すべく、『The Cleaners/クリーナーズ』との正面対決に臨む事に。

そして、更には、『ブルックリン』の混乱に火を注ぐ存在として、『the Rikers/ライカーズ』も登場し、事態は一層混迷を極めていく事となります。

『Collectibles/収集アイテム』

『CERA』
(Catastrophic Emergency Response Agency/大規模災害緊急事態支援局)

『Patricia Thompson/パトリシア・トンプソン』

『Status/状態』:『Deceased/死亡』
『Occupation/職業』:『Pediatrician/小児科医』
『Details/詳細』:『Nickname/ニックネーム』"Trish/トリッシュ"
ブルックリンの無料診療所の元小児科医医長
(Former head pediatrician at the free clinic in Brooklyn.)

まずこの悲劇の前日譚として、パンデミック直前の『パトリシア医師』の活動や、発言が、下記の放送内で明示されている。

登場する『ブルックリンの無料診療所で働くドクター』が、『パトリシア・トンプソン』医師。

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『フィールドデータ/ケンリー大学』

『Yellow Alert/第一次警戒警報』

・ケンリー大学の医務室所属の医師であるドクター・サンドラ・ベンソンが、ブルックリンの無料診療所で働く友人のドクター・パトリシア・トンプソンと、感謝祭の休暇後からインフルエンザの症状が急増した事について語る。

(Doctor Sandra Benson,Kenly College's in house physician,talks about the spike in flu cases following the Thanksgiving break with her friend.Doctor Patricia Thompson who works at a free clinic in Brooklyn.)

※感謝祭(Thanksgiving)
アメリカやカナダで祝われる秋の祝日。家族や親しい人々が集まり、七面鳥料理などを囲んで収穫や恵みに感謝する日。アメリカでは11月第4木曜日に行われ、翌日は大規模な買い物セール(ブラックフライデー)が開始される。

『ディビジョン』 ストーリーコンセプト解説トレーラー

サンドラ・ベンソン
『調子はどう?』

Sandra Benson:
(How you holding up?)

パトリシア・トンプソン
『まあね。新年度前はいつも大忙し。助成金がなくならない事を祈るばかり。』

Patricia Thompson:
(Fine.We're always stretched pretty thin before the new fiscal year,I just hope we don't lose that grant money.)

サンドラ・ベンソン
『大丈夫でしょ。そっちの事は知らないけど、医療センターは満員状態。今年のインフルはタチが悪い。』

※ここのラインは大学の医務室所属の待遇や環境と、無料診療所との待遇、環境、医療格差の対比。

Sandra Benson:
(You'll get it.I don't know about you,but the health center is basically at capacity.The strain this year is really bad.)

パトリシア・トンプソン
『こっちも明らかに感染者が多い。だけど妙なのよね。CERA(Catastrophic Emergency Response Agency・大規模災害緊急対応庁)は第一次警報しか出してない。』

Patricia Thompson:
(We've definitely had an influx in flu cases,but the presentation seems off.CERAs got us on a yellow alert.)

サンドラ・ベンソン
『それ普通よ。私も手の除菌剤とコンドームを配ってるだけ。生徒がハメを外して抗生物質が切れる事態にならなきゃいいけど。

Sandra Benson:
(That's normal.At this point I'm just handing out hand sanitizers and condoms hoping they'll be responsible and I don't run out of antibiotics.)

パトリシア・トンプソン
『そうね。』

Patricia Thompson:
(Same.)

サンドラ・ベンソン
『クラミジアの大流行だけは勘弁してほしい。あの子たちにも息抜きは必要だろうけど、ダービーボールの度に誰か1人は気管支炎になったり、脚を折ったりするんだから。女子の気を引こうとしてね。今年もあの苦労を乗り切れるか自信がないわ。』

Sandra Benson:
(Last thing I need is another chlamydia outbreak.These kids need to blow off some steam,but the Derby Ball always ends up with at least one kid in here with bronchitis or a broken leg cause they were trying to impress some girl.I don't know if I have it in me to deal with that shit this year.)

パトリシア・トンプソン
『隣の診療所が潰れて、メタドン(オピオイド依存症治療の象徴)を配る事になるよりマシよ。』

※ここも麻薬中毒患者へのメタドン処方など、深刻な医療、貧困問題を示唆するライン。

Patricia Thompson:
(Could be worse.You could be handing out methadone cause the clinic down the street lost its funding.)

サンドラ・ベンソン
『ええ、大学じゃ賞金の心配は不要だものね。ド田舎(the boonies,the boondocks)まで薬を届けるのは大変だけど。』

※ここは英文『the funding in academia』なので、『賞金』ではなく、『大学の資金、予算』の事。

Sandra Benson:
(Yeah,never have to worry about the funding in academia,just getting deliveries to the boonies.)

パトリシア・トンプソン
『地下鉄があるじゃない。』

Patricia Thompson:
(You've got a metro stop.)

サンドラ・ベンソン
『地下鉄で運ばれてくるのは、私が処方できない薬だけよ。』

※ここは地下鉄で出回っているのは、医師の処方がない、処方箋がない薬(違法薬物)を指している。
前段でも『メタドン、メサドン』に言及している。

Sandra Benson:
(The only drugs they deliver on the metro,I'm not allowed to prescribe.)

『Derby Ball/ダービーボール』

・ドクター・サンドラ・ベンソンが、ダービーボールを中止するようにという助言を大学の管理部門がどのように拒否したかについて、ドクター・パトリシア・トンプソンに不満を述べる。(Doctor Sandra Benson vents to Doctor Patricia Thompson about how the administration at the college is refusing to take her advice and cancel the Derby Ball.)

※『ここの不満を述べる。』に相当する英文は(vents to)。英語だともう少し、温度高めの表現。
蒸気をベントするといったように、溜まった圧力を抜くといったニュアンス。なので、不満をぶちまけるといった方が近い。

サンドラ・ベンソン
『本当の事を言って。妙な噂話はうんざりよ。』

※ここのラインもかなり強い表現(近しい間柄だからこそ、許される表現)を使って、不満を伝えている。『f--king hate』、『bullshit』。

Sandra Benson:
(Just tell me the truth.I fucking hate this rumor mill bullshit.)

パトリシア・トンプソン
『CERAは隔離措置を検討してる。市民に手洗いと、不調の時は家にいるよう指示してる。』

Patricia Thompson:
(CERAs talking about quarantine procedures.Advising people to wash their hands and stay home if they feel sick.)

サンドラ・ベンソン
『こっちでは薬の効かないインフルエンザの症例が5件以上出てるし、ベッドが足りなくなってる。だからダービーボールを中止にして、寮のひとつを隔離エリアにしたいって学長に相談した。』

※ここでの『サンドラ医師』の発言は、現場の緊急性と、大学側の鈍さとの間に横たわる決定的な断絶を示している。

『5件の治療が効果ない症例』、『ベッド不足』という具体的数値が挙げられている事で、彼女の要請が単なる杞憂ではなく、明確なデータと切迫感に基づいているという事が分かるライン。

あと、和訳だと、ここは『インフルエンザ』としているが、英文だと相当する語は『cases/ケース(ここでは症例)』と記されており、『インフルエンザ』とは明言されていない。

加えて、学長に相談という表現もあるが、『asked』とあるので、どちらかというと『依頼した、要請した』の方がニュアンスに近い。

Sandra Benson:
(I've got at least five cases that aren't responding to treatment.I'm running out of beds and asked the president of the college to evacuate one of the dorms to set up a quarantine and cancel the Derby Ball.)

パトリシア・トンプソン
『きっぱり却下されたんでしょ?』

※ここは極めて強い侮辱表現の英文。

『go fuck yourself』(くたばれ)、(勝手にしろ)といった表現。

WordReference.comより引用

『Go fuck yourself!』:

interj vulgar, offensive, slang
(expressing anger or contempt)

(無礼) 死ね!、クソ野郎!、勝手にしろ、知るか 

引用ここまで

但し、これも近しい間柄で使用されているので、パトリシアのこの返答は、『(サンドラ)が、本気で事態の緊急性を訴えたのに、結局(分からず屋の学長に)あしらわれたんでしょう?」という、英語では非常に強い表現だが、会話の流れからは相手を気遣う感情もにじんでいる表現。
(単なる侮辱描写ではない点。)

Patricia Thompson:
(He tell you to go fuck yourself?)

サンドラ・ベンソン
『不安を煽るなって。パニックに乗じて昇給を狙ってるとか疑われたんだから。本当、腐ってる。』

※ここは和訳だと『Call me a fear monger.』のラインをバッサリと落としているので、続く文との整合性が少し取れなくなっている。

流れとしては、
1:まず『サンドラ医師』が『学長』に、事態の危険性を直訴。
2:『学長』が『Call me a fear monger.』(人格攻撃までされた)
3:それで最後に『サンドラ医師』が『Fucking academia.』という流れになる。

で、この『monger』という語が、(軽蔑的に使用)何々をする人という様に使われる。
なので、ここでは『a fear』を広める人、煽る人みたいニュアンスになる。

WordReference.comより引用

『monger』:

-monger n figurative, pejorative (noun: purveyor of [sth])

(軽蔑的) 屋 接尾

引用ここまで

なので、『(あの学長、何て言ったと思う?)私の事を煽動者呼ばわりしたのよ。』みたいな意味になって、本文に続く。

Sandra Benson:
(Call me a fear monger.Accused me of trying to create a panic so I get a raise.Fucking academia.)

パトリシア・トンプソン
『ま、死者が出たら、賠償金は学長のボーナスから出せばいい。』

※『come out of~』(~の予算・報酬から差し引かれる、支払われる。)

Patricia Thompson:
(Well,it will come out of his bonus when they have to pay out the wrongful death lawsuits.)

サンドラ・ベンソン
『あの無能が失脚すれば清々するわ。でも、それより生徒たちの命を守る事の方が重要よ。』

※『chukle(ニヤニヤする。)+fuck(強意語)』(侮蔑的に使用するスラング:間抜け、無能)、『toe-tagging』(足タグ(死亡確認票))

ここのラインの一文には、『サンドラ医師』の怒りと絶望を超えて、なお失いたくない希望──「子どもたちの命」への絶対的な想いが込められている。

『chucklefuck』で痛烈に権力者(学長やその体制)を侮辱しながらも、最後には「I'd rather not be toe-tagging my kids」と、守るべきものへの祈りで言葉を結んでいるのが、とても重要な対比。

Sandra Benson:
(As satisfying as the idea of that chucklefuck losing his job is,I'd rather not be toe-tagging my kids.)

パトリシア・トンプソン
『分かる。』

Patricia Thompson:
(I get you.)

サンドラ・ベンソン
『そっちで死者は?』

※『casualties/死傷者、犠牲者』(医療・災害・戦闘のなどの文脈で使用される重い表現』

Sandra Benson:
(You have any casualties?)

パトリシア・トンプソン
『昨日、1人ね。』

Patricia Thompson:
(First one,yesterday.)

サンドラ・ベンソン
『年は?』

Sandra Benson:
(How old?)

パトリシア・トンプソン
『4歳。金髪の女の子。母親がワクチン反対派でね。昆布茶とみそ汁で治せると思ってたの。病院に来た時には体重が5キロ近く減って、酷い脱水状態だった。もう手の施しようがなかった。』

※ここは重めのライン。

まず『なぜ母親が反ワクチンの考えだったのか?』

①:ロケーション的な要因。
(郊外、田舎の為、医療施設へのアクセスが悪い。または、都会との情報格差があった可能性。)

②:宗教や思想の問題。
(極端なオーガニック、自然志向。または陰謀論、宗教的信念などが背後にあった可能性。)

また①、②それぞれに起因するかもしれないが、アメリカの高額な医療費問題(保険に未加入だったかもしれない。)も考えられる。

アメリカの高額な医療費は、単なるお金の問題に留まらず、そこに住む人々の深刻なまでの医療不信と『代替療法信仰』を生み出す温床となっている。

今回の場面においても、『母親の経済的恐怖と文化的不信が重なり、小さな命を孤独に、取り返しのつかない場所へ追いやってしまった』と読み解く事もできる。

Patricia Thompson:
(Four.Little blonde girl.Mom's an antivaxxer.Thought kombucha and miso soup would cure her.When she finally brought her in,she'd lost ten pounds and was severely dehydrated.Wasn't anything I could do.Her heart couldn't take the stress.)

『Quarantine/隔離エリア』

・ドクター・パトリシア・トンプソンが、友人に助言を与えると同時に、大学の管理部門がケンリー大学での隔離を公表しなければならないかもしれないという情報について伝える。

(Doctor Patricia Thompson offers advice to her friend and potential information that may get the college administration to issue a quarantine at Kenly College.)

サンドラ・ベンソン
『更に15件出た。』

Sandra Benson:
(Fifteen new cases.)

パトリシア・トンプソン
『ダービーボールで?』

Patricia Thompson:
(The Derby Ball?)

サンドラ・ベンソン
『だから忠告したのに。あんな事やったら、どんなに調子が悪くても鎮痛剤やハッパやお酒でごまかして、無理にでも出てきて感染を広げ合うって。』

※ここのラインは強い語(I fucking told him)を使用して、表現している。『だからあの時、学長(chucklef--k)に言ったのに』

Sandra Benson:
(I fucking told him.You let them have a party,kids who are sick as fuck will down a bunch of pain killers,smoke and drink until they feel good enough to party and then infect each other.)

パトリシア・トンプソン
『昨日はドアを閉じて人を追い返したわよ。看護師も2人休んでる。こんな状態、ますますただのインフルエンザじゃないって確信が強くなる。』

Patricia Thompson:
(We had to lock the doors and turn people away yesterday.Two of my nurses are out.And,the longer this shit goes on the more I'm convinced it's not the flu.)

サンドラ・ベンソン
『天然痘じゃないかって疑いたくなる。まぁ、そんな事あり得ないけど。』

※ここは後の伏線となるライン。

『smallpox/天然痘』は撲滅しているはず。しかし、症状を見ると、ただの『インフルエンザ』ではないと直感する。

またこの時点で、『サンドラ医師』が知っていたかは分からないが、冷戦期以降、『smallpox/天然痘』ウィルスの生物兵器転用のリスクが、実際に懸念されていた。

予防衛生協会『46.天然痘のリスク(1)』より内容を一部引用

(1)保管されている天然痘ウイルス

 天然痘は1980年WHOにより地球上から根絶されたことが確認された。

しかし、病気はなくなっても天然痘ウイルスは現在も米国疾病制圧予防センター(CDC)とロシアの国立ウイルス学・バイオテクノロジー研究所(通称:Vector)で保管されており、さらに前回の記事で紹介したように、60年間冷蔵庫の中に忘れ去られていた天然痘ウイルスが見つかった。ほかにもあるかもしれない。

 種痘の免疫効果は数年でなくなるので、現在、天然痘に免疫のある人は皆無に近い。

天然痘により滅亡した16世紀のアステカ帝国と同じ状態といえる。しかも天然痘ウイルスはテロリストにとっては、最高の生物兵器である。

炭疽菌などと異なり、種痘を行っていれば自分が感染する心配がなく人知れず容易に散布でき、社会全体に壊滅的影響を及ぼすことができるのである。

引用ここまで

 

Sandra Benson:
(If I didn't know better,I'd think it was smallpox,but that's fucking crazy.)

パトリシア・トンプソン
『そうでもない。こっち(ブルックリン)じゃみんなそう言ってる。CERAはパニックになるのを恐れて、そういう噂を徹底的に抑え込んでる。』

※このラインは、現場レベルでは、すでに『これがただのインフルエンザではない』と確信している一方で、『上層部(CERA)』がそれを必死で否定し、抑え込もうとしている現実を描いている。

Patricia Thompson:
(It's not.That's what we're all saying here.That's the rumor CERA keeps trying to kill because they don't want to start a panic.)

サンドラ・ベンソン
『子供たちを隔離して、学校から人を避難させないと。うちのリソースじゃ、そんなアウトブレイクには対処できない。あの能無しに言って聞かせないと。』

※ここのラインは、変わらず『サンドラ医師』が、『学長(組織の象徴)』の『無能さ(this asshole)』に憤慨し、そして、不穏に忍び寄る破滅の足音との間において、尚も子どもたちを守ろうと必死に抗っている場面を描いている。 

Sandra Benson:
(We have to quarantine the kids and evacuate the school.We don't have the resources to deal with an outbreak like that.I gotta get this asshole to listen to me.)

パトリシア・トンプソン
『研究所にサンプルを送って、天然痘か調べさせてる。2時間ぐらいで戻ってくるから、結果をメールする。公式のレターヘッドがついてれば、彼も耳を貸すはず。』

※ここのラインは、『パトリシア医師』が、大学で奮闘している友人の『サンドラ医師』に対し、単なる励ましを送るだけではなく、『公式の検査結果』という現実的な武器を用意して、『サンドラ医師』を支えようとしている姿が描かれている。
(I can email you the results,maybe seeing it on official letterhead will make him listen to you.)

それは、『組織』や『上司』、『状況』が、たとえ『無理解』(学長)であったり、『環境』(無料診療所)が劣悪であったとしても、我々、医療従事者同士は連帯し、『わずかでも希望を繋ごう』という意志の表れ。

Patricia Thompson:
(I sent some samples to the lab,told them to test for smallpox,should have them back in a couple of hours.I can email you the results,maybe seeing it on official letterhead will make him listen to you.)

『通信・ブルックリン味方』

『Sacrifice/犠牲』

・クリーナーの攻撃から市民を救おうとして死んでいくローグたち。

(Rogues dying trying to save civilians from the Cleaner attack.)

ビル
『行って。』

Bill:
(Go.)

パトリシア・トンプソン
『いや、患者を置いて行けない。』

Patricia Thompson:
(No,I can't leave the patients.)

ビル
『あなたが死んだら困る、トリッシュ。』

Bill:
(We can't afford to lose you,Trish.)

パトリシア・トンプソン
『歩ける人たちは避難させるべきね。でも、脚を骨折した人や産後の回復期の人たちは走れない。火災時の避難場所まで連れていかなくちゃ。』

Patricia Thompson:
(The ones that are ambulatory,we should evacuate.But,we've got broken legs,people recovering from giving birth,they can't run,we need to get them to a fire evacuation point.)

ビル
『一番近いのは?』

Bill:
(Closest one?)

パトリシア・トンプソン
『向こうの部屋に防火扉がある。バリケードを張れば時間を稼げる。あなた、セーフハウスに行って、助けを呼んで。私たちはブリッジに連絡してみる。』

Patricia Thompson:
(The rooms over there,they have fire rated doors.We can barricade and save some time.You,go to the safehouse for help.We'll keep trying to get a hold of the Bridge.)

ペイジ
『あたし?』

Paige:
(Me?)

ビル
『ああ。クリーナーズが診療所のあっち側を塞いじまう前に窓から出ろ。

Bill:
(Yes.Run,go,now,out the window before the Cleaners block that side of the Clinic.)

ペイジ
『分かった。』

Paige:
(Okay.)

ビル
『患者を部屋に入れてくれ。

さあ行くんだ!』

Bill:
(Get the patients into the room.

Go,now.)

ビル
『クソ!撃たれた。ホスキンス、応答してくれ。診療所に助けが必要だ。繰り返す、診療所にクリーナーズがいる。ホスキンス、応答せよ。』

Bill:
(Fuck,I'm hit.Hoskins,come in.We need help at the Clinic.

I repeat Cleaners are at the Clinic.Hoskins,come in.)

ビル
『なんで答えない?』

Bill:
(Why aren't they answering me?)

『ECHO・ブルックリンECHO』

『Fire Doors/防火扉』

・パープルフレイムが診療所を襲う。
医療従事者と市民の集団が、診療所内でクリーナーズから逃れようとする。

(Purple Flame ravages the clinic.
A group of medical workers and civilians tries to escape the Cleaners inside the clinic.)

パトリシア・トンプソン
『エージェント・ホスキンス?』

Patricia Thompson:
(Agent Hoskins?)

エージェント・ホスキンス
『ドクター・トンプソン、無事?』

Agent Hoskins:
(Doc Thompson,are you safe?)

パトリシア・トンプソン
『今はね。火災避難施設にいる。1時間は持ちそう。』

※ここは通常の耐火規格から、見積もって話している。

Patricia Thompson:
(For now.We're in the fire escape.Should buy you an hour to get to us.)

エージェント・ホスキンス
『そう。すぐ助けが行く。』

Agent Hoskins:
(That's good,help is on the way.)

パトリシア・トンプソン
『1時間よ。本当は3時間のはずだけど。』

※で、前段の耐火規格だと、本当は3時間持つはずだが、1時間程度しか持たないと予想している。
(クリーナーズのパープルフレイムが、想定外の高火力の為。)

Patricia Thompson:
(We should have an hour.But you should have three.)

エージェント・ホスキンス
『どういう事?』

※パトリシアの発言を受けて、ホスキンスが少し困惑して、聞いている。

Agent Hoskins:
(What are you talking about?)

パトリシア・トンプソン
『ドアよ。それぞれ燃やすのに30分は掛かる筈なの。私たち、ICUの部屋に立てこもったけど、炎は10分以下でドアを焼き尽くした。

火災避難施設は3時間持つらしいけど、どうかしら。』

Patricia Thompson:
(The doors.Each one should take thirty minutes to burn at least.We barricaded ourselves in a room in the ICU,but the fire burned through the door in less than ten minutes.The fire escape is rated for three hours,but who knows.)

エージェント・ホスキンス
『どれくらいそこに?』

Agent Hoskins:
(How long have you been there?)

パトリシア・トンプソン
『15分よ。』

※このEchoでは、終始、緊張感溢れる時間の描写が行われている。
ここも『(あと45分の猶予があるかどうか、私には分からない。扉が火に曝されて、)15分よ。』とホスキンスに伝えている。

Patricia Thompson:
(Fifteen minutes.)

エージェント・ホスキンス
『今行く。救助が向かってる。身を守って、トリッシュ。』

※英文(Just,please,be safe Trish.)の『Just』は、懇願の前置き語。ちゃんとした意味というよりも、『あぁ、どうか…』みたいな、感情を抑えきれない祈りのような響き。また『トリッシュ』というニックネームの使用も、彼女らの関係性の近さを示している。

Agent Hoskins:
(We're coming.Help is coming.Just,please,be safe Trish.)

パトリシア・トンプソン
『ありがとう、メラニー。逃げ場がないの。あなたが助けてくれるって信じてる。』

※で、英文最後のフレーズ(Thanks,Melanie.There's no way out,so I'm counting on you to be my hero.)が、少し遺言めいている。

少なくとも『パトリシア』は、死が目前に迫ってきている事は認識している。

文の構造は、

・ホスキンスに対する感謝(Thanks,Melanie.)

・絶望的状況の描写(There's no way out)

・最後に期待と希望(so I'm counting on you to be my hero.)という形。

で、最後の期待と希望の部分なんだけど、『パトリシア』には、もうなす術はなく、逃げ場がないので、『もう私は動けない。最後の希望は、あなた──』みたいな意味に聞こえる。

『ありがとう、メラニー。

もう、どこにも逃げ道はない。

だから──あなたが私の英雄になってくれるって、そう信じて、待ってるわ。』

Patricia Thompson:
(Thanks,Melanie.There's no way out,so I'm counting on you to be my hero.)

 

 

 

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