
『Angine de Poitrine(アンジン・ド・ポワトリン)』
2026年、地球はすでに落ちていた。
侵略者は、333歳の宇宙人バンド・『Angine de Poitrine(アンジン・ド・ポワトリン)』だった。(公式サイトへのリンク)
彼らの武器は、核兵器でも、ウイルスでもなかった。
変拍子のロックだった。
1:『宇宙人、地球侵略の手段は変拍子だった。』
設定紹介
- バンド名の由来:
『Angine de Poitrine(アンジン・ド・ポワトリン)』
フランス語で「狭心症」を意味する。地球の言語が喋れないはずの宇宙人が、なぜかフランス語の医学用語を名乗る皮肉。
- 外見:
ポルカドットの宇宙服のような衣装、微分音ダブルネックギター、ルーパーを駆使する演奏スタイル。 - 音楽的特徴:
- 変拍子:7/8、11/8、13/16など、聞く者の脳を混乱させるリズム。
- 鋭角的ギター:ジオメトリックなリフと不協和音が織りなすサウンド。
- インスト重視:歌詞はほとんどなく、音楽そのものが「言語」として機能。
- プログレの遠い親戚:プログレッシブ・ロックの複雑さを持ちつつ、パンクのエネルギーとジャズの即興性を融合。
※筆者注:この辺り、以降でも紹介するバンドにも言える事だが、『ジャンル警察』的な定義だと、『マスロック』なのか、『ポスト・ロック』なのか、『プログレッシブ・ロック』なのかは意見が分かれる、というか揉めるんだろうが、私的には結構それはどうでも良くて、広義で『プログレッシブ』で良いんじゃないかと思っている。
大切なのは『中身』。
なので、細かい定義や系譜については、詳しい人に説明を任せるにして、今日は3組紹介。
2: 侵略、開始:『Angine de Poitrine(アンジン・ド・ポワトリン)』
今年のフジロックでのパフォーマンスで結構バズって、ここ日本でも認知度が増した当バンド。
実は日本での盛り上がりの前に、2026年2月、シアトルのKEXPで行われたライブセッションが、難解なフレーズとインパクト大の見た目、確かなパフォーマンスとその内容で、SNS上で沸いた。
ド頭の『Sarniezz』から『Mata Zyklek』の流れが珠玉。
決して、所謂『色物』枠で無い事が伺える。
聞いていると、気持ち良さと気持ち悪さの塩梅が絶妙。
下手したら、ずっと気持ち悪い(聞き心地が悪い)人も居ると思う。
ズレとフレーズとリズムのハマる所の配分というか。
途中の声ネタの使い方とか。
3. 潜伏期:実はその前に、UBI屋上でライブをやっちゃったりもしてる。
2025年9月、モントリオールのUbisoft社屋上
Angine de Poitrine、まだそこまで認知度が高まってない頃、POP Montreal公式セッションに出演。
- 場所:Ubisoft社屋の屋上、都市の真ん中でのパフォーマンス。
- 演奏:後のKEXPセッションと同様のスタイルで、地元の音楽ファンを魅了。
- 伏線:このパフォーマンスが、後のバイラルヒットへの第一歩となった。
4. 制圧完了:フジロックで起きた「超現象」
2026年7月26日、FIELD OF HEAVEN
Angine de Poitrineは、フジロックフェスティバルに初出演。
【出演者・タイムテーブル変更のお知らせ】
ANGINE DE POITRINEの出演ステージおよび出演時間が変更となりました。7/26(日)
RED MARQUEE 11:30-12:10
↓
7/26(日)
FIELD OF HEAVEN 19:00-20:10また、7/26(日) RED MARQUEE 11:30-12:10に US の出演が決定しました。https://t.co/JlbjX0OKbS pic.twitter.com/ntJ8kRsK58
— FUJI ROCK FESTIVAL (@fujirock_jp) July 8, 2026
- 入場規制エピソード:
- 開演前から長蛇の列ができ、予定の会場をはるかに超える観客が集まった。
- 主催者は急遽、会場を拡張し、入場規制を実施。
と、このように快進撃を続けている注目のバンドという訳。
5. で、日本のバンドはどうなの?と言うと。
もちろん、ここ日本でも、カッコいいバンドは沢山いる。
一応今回の記事の主旨、意図は『マスロック』、『ポストロック』の流れという中で、紹介。
『toe/トー』
- 結成:2000年結成。
- 活動スタイル:メジャー契約せず、自主レーベルMachu Picchu Industriasで活動するポストロック/マスロックの古参バンド。
- サウンド:
- 変拍子:5/4、7/8、11/8など、複雑なリズムを自然に織り込む。
- 静と動の緩急:繊細なメロディと爆発的なクライマックスを繰り返す。
紹介するのは、彼らの代表曲となる『グッドバイ』のMVと、超久方ぶりに映像を出してくれたファーストテイクのものを2つ。
▼toe-『グッドバイ/Goodbye』
▼toe - 『グッドバイ feat. 土岐麻子 + 徳澤青弦 / THE FIRST TAKE』
このファーストテイクのバージョンの曲終盤、
バーストする辺り、いつも泣きそうになる。
そして、ドラムがめちゃタイト。
『グッドバイ』自体も2パターンあるので、好みの方で。
このバンドはどちらかというと、静と動の対比、叙情的なメロディ、若干のエモさって感じかな。
日本のポストロックの得意な表現とも思う。
で、今回最後はハードコアの文脈から1バンド。
『kamomekamome/カモメカモメ』
ボーカルの『向達郎』氏は、『マキシマムザホルモン』以前、確実にオーバーグラウンド(お茶の間やメディア)に、ハードコアシーンの認知度を高め、押し上げたバンドの一つである『ヌンチャク』の元ボーカル。
柏シティ・ハードコア(KCHC)ってやつだね。
そういえば、大阪、Hiphopの文脈で『ヌンチャク』とも共演し、その曲をカバーしている『Jin Dogg/ジン・ドッグ』もいたね。
▼Jin Dogg - the Break (Nunchaku IchibuFubuku cover) [Official Music Video]
▼BAKU, Jin Dogg, Nunchaku, Tomy Wealth - VIDEOPHOBIA【Official Music Video】
そんなバンドからはこの曲を。
▼KAMOMEKAMOME 事切れ手鞠歌 (Live at TOKYO STUDIO COAST 2021.10.3)
まじで、このライブのクオリティ、ハンパねーな。
めっちゃカッコいい。
このバンドは歌詞とメロディが高い水準でまとまっている印象。
とまあ、ここまでつらつらと好きな音楽を紹介したけども、
定義論争より、まず1曲聞いてみて。
もし、あなたに刺されば、そりゃ嬉しい限り。
ではでは、また。